世界のパンは無限大!?一体どんな種類のパンがあるのかな?~イタリア編~

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 イタリアのパン
今回はイタリアのパンの紹介です。当店でもイタリアンレストランをやっていますのでナポリピッツァやイタリアのパンを販売することがあります。では見てみましょう!
イタリアと言えば日本ではピザが特に有名ですが、イタリアのパンも日本で多くの種類が販売されています。 イタリア発祥の特徴的なパンとしては、その起源が古代ローマ時代に遡ると言われている、伝統のパンであるフォカッチャがあげられ、このパンは形が四角形である事が大きな特徴となっています。 また、イタリアの形が特徴的なパンと言えば、グリッシーニの存在は外す事ができません。このトリノの名物となっているパンはスティック状で細長く、まるでお菓子のような形をしています。また、長いものだと長さが75cmもあるものもあり、このパンはナポレオン・ボナパルトも愛したと伝えられています。 クリスマスに食べるパンとして広まったパネトーネについてはパネトーネ種という特殊な発酵種を使っている事で有名で、ここからパンドーロやコロンバなどといった発酵パンも生まれました。

フォカッチャ

フォカッチャはイタリアの北部にあるジェノヴァが発祥とされるパンで、その歴史は古代ローマ時代にまで遡ると言われています。また、名前の「フォカッチャ」とは「火で焼いたもの」を意味し、イタリアの食べ物として知られ、現在では世界中で食べられているピザの原型ではないかとの説もあります。 フォカッチャは特に何も手を加えないプレーンなもの以外にもドライトマトやオリーブ、ローズマリーなどをトッピングしたものがあり、トッピングを施したものを見るとピザの原型であるという話もうなずけるパンとなります。 また、表面にはオリーブオイルを塗って、焼き上がりが平らになるように指先などでくぼみをつけてから焼くのが一般的ですが、バターを塗ったり、砂糖をまぶして甘くしたりしているフォカッチャ・ドルチェもあります。 フォカッチャの本場、イタリアではビールや炭酸ジュース(キノットなど)と一緒におつまみとして食べられる事も多く、炭酸と非常に相性が良いとされています。 日本では写真のような四角形のフォカッチャよりも丸形の方が一般的です。 尚、種入りのオリーブを埋め込んだフォカッチャは「貧しい人のフォカッチャ」と呼ばれ、その由来は種を取るのに手間がかかり、沢山食べれなかった事にあると言われています。

チャバタ(チャバッタ)

チャバッタはイタリアの北部、ロンバルディア地方が発祥の地とされる伝統的なパンで、名前であるチャバッタとはイタリア語で「スリッパ」や「靴の中敷き」を意味し、元々は平べったい形をしていた事からそう呼ばれるようになったと言われています。 チャバッタは主にイタリア国内で食べられていましたが、現在ではドイツや北欧、日本でも人気が高くなってきています。 また、小さいチャバッタや丸いチャバッタは「チャバッティーナ」と呼ばれていますが、大きさや形で呼び名が変わっているだけなので材料などは同じです。 チャバッタはイタリアでは定番のパンのひとつであり、食事パンとして食卓には欠かす事のできない存在で塩を混ぜたオリーブオイルをつけて食べるのが一般的な食べ方です。 チャバッタの大きな特徴は内部のクラムに大きな気泡があり、もっちりとしていて食べごたえがある事で、水を多く加えて発酵後はできるだけ生地に負担をかけないなどの工夫を行う事によって実現しています。 チャバッタが生まれたきっかけは水を入れすぎて失敗したと思われたパンが偶然にも美味しかったからで、以降、意図的に水を多めに入れて試行錯誤が行われ、現在のチャバッタが生まれたと言われています。 チャバッタの食べ方としては前述のオリーブオイルをつけて食べる方法以外にも、水平にカットしてハムやチーズなどを挟みパニーニにするという食べ方もあります。

グリッシーニ

グリッシーニはイタリアが発祥とされるパンで、具体的な場所はイタリア北西部のピエモンテ地方のトリノだとされており、イタリア王家のサヴォア家の人間が胃が弱かった為、消化の良いパンをシェフに依頼して作られたのが始まりだと言われています。まるでお菓子のような見た目とクラッカーのようなカリカリとした食感からワインなどのアルコール類と、とても相性が良いパンです。 グリッシーニはそのまま食べても美味しいパンですが、生ハムを巻いて食べたり、オリーブオイルをつけて食べたりするのも一般的な食べ方として広く知られています。 また、本場イタリアのレストランでは殆どのお店で提供されており、定番のメニューのひとつとなっています。 尚、このグリッシーニはフランス皇帝のナポレオン・ボナパルトが「小さいトリノの棒」と呼んで好んで食べていたという記録が残っています。 グリッシーニは一般的なものでも長さが約25cmとかなり長いのですが、長いものでは75cmもあるものもあり、工場で作られたものは均一な長さですが、手作りのものは長さが均一ではないなどの特徴があります。

パンドーロ

パンドーロはイタリア発祥の菓子パンで名前は「黄金のパン」を意味します。元々は同じイタリアのパンである「パネトーネ」と同様にクリスマスシーズンに食べられてたパンであり、18世紀頃にヴェローナの一般家庭で作られていた「ナダリン」という菓子を貴族が食べるようになった事により、金箔で覆われた円錐形のパン「パン・デ・オーロ」に変化し、このパンがのちに大衆化し「パンドーロ」になったと言われています。 パンドーロとパネトーネの違いとしてはパンドーロは生地にドライフルーツを入れない事があげられ、形についてもパンドーロは写真のような星形になっています。パンドーロは卵黄とバターをたっぷりと使用している事から中身は美しい黄色をしており、大きさは15cm程度のものが一般的です。 パネトーネの内部はスポンジケーキのようにやわらかく、パネトーネ種で発酵させているものは1か月は日持ちするとされ、食感は程よくしっとりとしています。 また、焼きたてよりも焼き上げてから一日以上経った方が美味しいと言われています。 尚、サイズの小さなパンドーロは「パンドリーノ」と呼ばれ、こちらは大体10cm前後の大きさです。

パネトーネ

パネトーネはイタリアのミラノが発祥の地とされているパンで、元々は日本でも有名なドイツのシュトーレンのようにクリスマスシーズンに食べるパンとして知人や親戚などに送る為に作られていましたが、現在ではクリスマスとは関係なく一年中作られるようになりました。 パネトーネはイタリアで生まれた特殊な天然酵母であるパネトーネ種だけを用いて発酵される為、時間はかかりますが香りや風味が良く、日持ちするとされています。発酵が終わった生地は型に入れて焼かれていますがマフィンのように小さなものから大型のものまで、大きさは様々です。 また、パネトーネの生地にはドライフルーツを入れるのですが、このドライフルーツとパネトーネ種の酵母で発酵した生地がマッチしており、口当たりの良いほのかな甘みを感じる事ができます。 尚、パネトーネの名前の由来はイタリア語で小さなパンを意味する「パネット」が変化したという説と15世紀にミラノで貧しいパン屋を営んでいたトニーに恋した娘が「トニーのパン」として発案したのが始まりであるという説があります。 また、パネトーネは小さいサイズのものは「パネトンチーノ」、アーモンド粉と卵黄、砂糖などを混ぜて、それをトッピングしたものを「パネトーネマンドルラート」と呼びます。

コロンバ

コロンバはイタリアが発祥の地とされるパンで、正式な名前を「コロンバ・パスクワーレ」と言い、それぞれ「コロンバ」は「鳩」を意味し、「パスク」は「復活祭」を意味します。この名前は元々、復活祭を祝う為のパンであった事から名づけられ、鳩の形にするようになったのは復活祭の象徴が鳩であった為であると言われています。 また、その起源は非常に古く、572年にロンバルディア州のパヴィアに住んでいた菓子職人が侵略してきたランゴバルト族の王にこのパンを送ったのが始まりだとされています。 コロンバはオレンジピールを混ぜた生地を鳩をかたどった型に入れ、焼き上げます。また、同じイタリアのパンであるパネトーネと同じ発酵方法である事から独特の味わいがあり、甘くて自然な口当たりを楽しむ事ができます。 食べ方としては斜めにカットして食べるのが一般的で、本場イタリアではデザート感覚で甘い飲物と合わせて食べられています。 尚、鳩型である事が多いコロンバですが、手作りのお店ではドーム型の丸い形をしている事もあります。

スフォリアテッラ

スフォリアテッラはパリパリとした食感が特徴的なイタリア・ナポリ生まれのパイでリコッタチーズと呼ばれている南イタリア原産のフレッシュチーズとドライフルーツを混ぜた滑らかなクリームを入れて焼き上げます。 スフォリアテッラは日本ではあまり馴染みがありませんが、生まれ故郷のナポリにおいてはカフェなどでもよく見かける定番のパイ菓子となっています。 スフォリアテッラとはイタリア語で「ヒダを何枚も重ねた」というう意味で、その名の通り、何層にも重なった極薄のパイ生地の歯ごたえが良く、エスプレッソや赤ワイン、スパークリングワインなどとも相性が良いと言われています。 元々は17世紀にナポリの郊外にあるアマルフィの修道院に住んでいたシスターがあり合わせの材料で最初に焼いたのが始まりだとされており、当初は修道院内で人気のメニューでしたが噂が広まり、ナポリの菓子職人も作るようになった事からナポリ全域に広まっていきました。 スフォリアテッラは大きさや形に様々なバリエーションがありますが、最もポピュラーなのは貝殻の形をした10cm程度の大きさのもので、パイ生地をロール状に長く巻いたものを適当な大きさに輪切りにしてクリームを詰めて焼き上げます。 甘さと食感からお菓子のような食べ物としてとらえられていますが、生地とクリームにボリュームがある為、軽食としても人気があります。 いかがでしたか?当店でもクリスマスにパネトーネを販売していましたが昨年からパンドーロに変更し販売しています。機会があれば是非!

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