世界のパンは無限大!?一体どんな種類のパンがあるのかな?~アメリカ編~

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アメリカパン
アメリカはハンバーガーやホットドッグなどのパン生地を使ったファーストフードで有名な国ですが、パン単体で考えてもドーナツやベーグル、マフィンなど日本でも愛されているパンが多く発明された国でもあります。
また、アメリカ発祥のパンは日本で生まれたパンと同じくリッチなパンが多く、この事からアメリカ人も日本人と同じく手軽に食べられる菓子パンなどを好んでいる事が分かると言えます。
アメリカ生まれのパンのひとつとして日本でもお馴染みの「マフィン」がありますが、アメリカのマフィンとイギリスで食べられている「イングリッシュマフィン」は全くの別物で、見た目の特徴や味わいなども大きく異なります。また、マフィンは多くのパンとは違い、べーキングパウダーで膨らませる為、かなりお菓子に近いパンだと言えます。

ベーグル

ベーグルはアメリカ生まれのパンとして知られている日本でも大変、人気のあるパンですが、その起源についてはオーストリア、現在のドイツにあたるプロイセン、ポーランドなど様々な国の名前があがっています。また、アメリカに最初にベーグルを持ち込んだのはユダヤ人だという説が有力でユダヤ人は日曜日の朝にベーグルを食べるという習慣があり、それがアメリカに伝わったと考えられています。

アメリカにベーグルが伝わったのは1900年前後だと言われていますが、当初は労働組合に属する人達が手作業で作っているもののみが供給されていた為、一部の土地でしか食べられていませんでした。
しかし、1960年代に入ってベーグルを作る機械が導入され、この機械によって大量のベーグルが生産されるようになり、この機械で大量生産されたベーグルを冷凍したものが全米中に広まっていった事によって、アメリカ人にとってとてもポピュラーな食べ物となっていきました。

ベーグルは棒状の生地の端をつなぐ事によってドーナツのような形状にするパンですが、焼く前に熱湯にくぐらせるという方法で作る事によって、そのもっちりとした独特の食感と表面の艶が生まれます。アメリカではベーグルを水平に切って二枚のパンにし、その間に具を挟む事によってサンドイッチにして食べる事も多いようです。
日本では生地にフルーツやナッツを混ぜたものなど幅広いバリエーションがあり、ベーグルを専門に販売しているお店もあります。

シナモンロール

シナモンロールは現在ではアメリカのパンとして広く知られている存在ですが、発祥はスウェーデンだと言われており、スウェーデンではシナモンロールを愛するあまり、毎年10月4日はシナモンロールの日としたほどです。尚、スウェーデンではシナモンロールとは呼ばず、「カネルブッレ」と呼ばれています。

1920年代に販売が始まった当初は、高級なパンとして販売されていましたが、じょじょに価格が下げられ、庶民でも買えるようになった事で広く食べられる大衆的なパンとして広がっていきました。現在では日本でも販売されているお店が多く、軽食として食べられる人気のパンのひとつとなっています。

味や香りがよくなるので、カルダモンを入れる事も多いのですが、カルダモンを入れる場合はパウダー状のものは使わずに、種を取り出してすりつぶした方が美味しいパンが作れるといわれています。また、上記の写真のようにパンの表面にアイシングがかかっているものが一般的です。
シナモンロールはしっとりとした食感のものが好まれ、時間が経つとベタつきはじめるので、できるだけ早めに食べるのがおすすめです。

シナモンロールは甘みが強い為、「グアテマラ」などを深煎りした味の濃いコーヒーや渋みのある紅茶などと合うとされています。

ドーナツ

ドーナツはアメリカの食べ物として知られていますが、その起源はオランダの「オリーボル(オリーボーレン)」という揚げ菓子だと言われており、このパンの上にはナッツ(クルミ)が乗っていました。この見た目からドウ(生地という意味)の上にナッツという意味で「ドーナツ」という名前がついたとされています。

その後、アメリカに伝わったドーナツは熱の通りを均一にする為に現在と同じリング状になり、表面はサクサク、中身はフワフワという甘さや風味だけでなく食感も魅力的なパンとなり、世界中に広まっていきました。

その他にも上記の写真にもある通り、ドーナツといえば非常に多くの種類がある事が人気の理由のひとつとなっており、アイシングされたものやチョコレートや粉砂糖をトッピングされたものは勿論、クリームが入ったものや穴が開いてないドーナツなどもあります。
また、ベーキングパウダーで作られたケーキドーナツは通常のものとは食感が異なり、中身がしっかりと詰まっている事によって若干、粘り気を感じる独特のものとなっています。

サンフランシスコサワーブレッド

サンフランシスコサワーブレッドは名前から想像できる通り、アメリカのサンフランシスコで生まれたパンで、クープが入ったその姿はバゲットなどの一般的なフランスパンと似ていますが発酵方法が異なる為、食べると軽い酸味が口の中に広がります。

サンフランシスコサワーブレッドの独特の風味はサンフランシスコサワー種と呼ばれている固有のサワー種を用いる為に生まれるもので、クラストが硬くクラムもしっかりとした歯ごたえがあります。
また、サンフランシスコの観光地であるフィッシャーマンズワーフでは、丸形のこのパンの中身をくりぬいてクラムチャウダーを入れたものを「クラムチャウダーボールブレッド」という名前で販売しており、人気の商品となっています。

食べ方としてはスライスした後にトーストし、チーズやハムをのせて食べたり、様々な具材を挟んでサンドイッチにするのがポピュラーな食べ方です。
また、日持ちしやすいのもサンフランシスコサワーブレッドの特徴のひとつです。

尚、発酵に用いられているサンフランシスコサワー種とは空気中に自然発生する乳酸菌であり、サンフランシスコサワーブレッドはこれを使ってゆっくりと時間をかけて発酵させています。しかし、現在のパン屋さんではイーストとの混合で焼かれている場合も珍しくありません。
また、サンフランシスコサワーブレッドの起源は1849年にゴールドラッシュが始まった時期に当時、金鉱を掘っていた人々がこのパンを食べていた事から広まっていったと言われています。

マフィン

マフィンはイースト菌などで発酵させて作る本格的なパンではなく、ベーキングパウダーで膨らませて作るアメリカの家庭で一般的に食べられている手軽なおやつで、現在では日本でも色んなお店で販売されており、とても身近な存在となっています。

マフィンは「ケーキ・マフィン」とも呼ばれている事から分かるとおり、甘いパンである事からパンというよりお菓子として扱われているケースもあり、何も入れないオーソドックスなプレーンタイプの他、ナッツを入れたものやチョコチップを入れて甘くしたもの、ドライフルーツを入れて豪華なものにしたマフィンなど、様々なタイプのものが作られています。

マフィンの良い点としてあげられる所は、前述の通り、ベーキングパウダーで膨らませる為、時間がかからない。紙などで出来ているカップ型に入れて焼く為、成形が容易。特殊な材料を使用しない。コーヒーや紅茶などの飲み物とよく合う。などで、家庭料理としてアメリカで一気に広まったのは、このような点が功を奏したからだと考えられています。

尚、「イングリッシュ・マフィン」と呼ばれるイギリス生まれのマフィンもありますが、こちらは見た目も味も食べ方も全く異なったものとなっています。

コーンブレッド

コーンブレッドは名前の通り、主にトウモロコシを用いたパンで具体的にはコーンミールと言うトウモロコシの皮や胚芽を取り除いて引いた粉に膨らませる為のベーキングパウダーや砂糖や牛乳、卵などを混ぜて、オーブンやフライパンなどで焼き上げます。

コーンブレッドはアメリカ合衆国発祥のパンとされ、新大陸の発見当時から今日に至るまで長い間愛され続けており、現地では感謝祭(11月の第4木曜日)とその週末に七面鳥料理などと並んで特によく食べられています。
また、地域や家庭によってやや味付けや形が違う事もこのパンの特徴のひとつで、北部地域では砂糖が多く、甘い味付けをされている事が多いのですが、南部地域ではあまり甘くせずに素朴な味わいを楽しまれている事が多いようです。
コーンブレッドはメインの穀物としてコーンミールだけでなく、強力粉などの小麦粉を混ぜる事もありますが、コーンミールのみで焼き上げたものほどザックリとした独特の風味を楽しむ事ができます。

コーンブレッドの食べ方としてはパンケーキと同じようにバターやメープルシロップなどをかけて素材の味を楽しみつつ甘く仕上げるというのが一般的な食べ方とされています。

ハンバーガーバンズ

ハンバーガーバンズは名前の通り、主にハンバーガーを作る際に用いられるパンで、丸形で具材の味を引き出すために砂糖や脱脂粉乳などを使ってやや甘めに焼き上げるのが基本的な作り方です。
また、「バンズ」とは「バン」の複数形でバンは英語圏では丸パン、もしくは楕円形の長パンを意味しますが、日本では殆どの場合、複数形の「バンズ」の方で呼ばれています。

ハンバーガーバンズは水平にカットしたり、切れ込みを入れるなどしてハンバーグと野菜などを挟んで食べるのがポピュラーな食べ方で、19世紀後半のアメリカでハンバーガーが食べられるようになり、一気にアメリカ全土へ広がっていきました。
また、この頃は屋台で売られるのが普通で、ハンバーグステーキサンドイッチという名前で販売されていたそうです。それから20世紀に入ってお馴染みのハンバーガーという呼び名が生まれました。
現在では、ハンバーグと野菜以外にも様々な具材が用いられ、次々と新しい商品が開発され続けています。

尚、水平にカットしたパンの上部分をクラウン、下部分をヒールと呼びます。クラウンとヒールの両方の断面を少しトーストするとサックリとした歯ごたえになり、更に美味しく食べる事ができます。

ホットドッグバンズ

ホットドッグバンズは1880年代にニューヨークに登場したアメリカ発祥のパンですが、その起源はアメリカに移住してきたドイツ系の移民が持ち込んだソーセージにあると言われ、このソーセージを挟んで食べる為のパンとして、このホットドッグバンズが考案されました。

ホットドッグバンズの形状はソーセージが挟みやすいように細長い形に焼かれ、具材を活かすというコンセプトで作られている為、パン自体の味は実にシンプルです。
その為、材料に関しても特に変わったものを入れるという事は殆ど行われず、ごくごく一般的なリッチ系パンの材料が用いられます。
ホットドッグバンズに切れ目を入れてソーセージを挟んだホットドッグは現在でもアメリカを中心に非常に人気があり、その名前の由来はソーセージを挟んだその姿が犬のダックスフンドが赤い舌を出している姿に似ているという事から名づけられたと言われています。
食感に関してはふんわりとしており、切れ込みを入れ具材を入れる事を想定して焼かれたパンなので、具材を入れてもつぶれないように弾力があります。

いかがでしたか?大体、おなじみの名前が多いですよね。アメリカは日本と違いとにかく豪快なサイズ、とびきり甘くてハイカロリーなんてイメージが強いですね。

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